卵の避難

原発事故の影響で、避難されている方の凍結胚を受け入れることになりました。
当初、話があった時、どうやって運んでくるかわかりませんでした。そういうことを扱う業者に説明を受け、輸送中の振動とか液体窒素の漏れとかが心配ですが、それなら大丈夫かなと思い、引き受けることにしました。
紹介状を書かれた先生の産婦人科は閉じられたそうです。考えてみれば、妊婦や子供を優先して避難させているわけで、避難地域では分娩することさえ、なくなって、産婦人科があっても意味の無い状態になっているわけです。まして、不妊治療を受ける人がいるかどうか分かりません。

先日、当直に行った病院に、福島から避難されてきた方がお産のため、入院していました。今後、どれくらいかはわかりませんが、数年間は福島で出産される人がすくなるのではないでしょうか?

私にできることは避難地域で作られた受精卵が着床できるように、頑張るだけです。