うまく出てくれるといいのですが

週末は○○病院へ当直に行ってきました。
残念ながらというか、お産には当たりませんでした。

ですが、難しいことがありました。
救急外来から、「生理が月2回あって、ヘモグロビン一桁の人がいるのですが、、、」と連絡がありました。
妊娠じゃなければ、筋腫分娩かと思いつつ、外来に行きました。
「妊娠の可能性は?」
「結婚しているので、ないわけではありませんが、今生理中です。」
こう言われても、産婦人科は100%妊娠反応を調べます。
結果は「陽性」でした。
診察をすると、胎嚢が出かかっており、不全流産と思われました。
ですが、ヘモグロビンが1ケタまで下がる流産はあるものか?
エコーで見たとき、子宮の状況が通常の流産後とは何か違うと思われ、1晩経過を見ることで入院してもらいました。
翌日、ヘモグロビンはさらに1以上低下しており、出血も続いていました。
常勤の先生と相談し、診断は「頸管妊娠の流産」であろう、ということになり、治療が始まりました。
今後、うまく出てくれるといいいのですが、、、


救急外来から、「今朝から胎動が少ない妊婦さんが来ています」
この「胎動が少ない」という訴えはかなりイヤです。エコーで見て、心拍を確認して、胎児心拍モニタで異常がなくても、「大丈夫」となかなか断定できません。不安が残ります。
その妊婦さんは、心拍はありませんでした。妊娠6か月でした。
泣きながら旦那さんに「ごめんね」と言っていました。
「母体に原因があることは少なく、ほとんどが胎児に何かしらの原因がある」と教科書的なことを説明しましたが、、、
子宮内胎児死亡は何とも防ぎようがありません。
こういう時点で適切なかける言葉も見つかりません。グリーフケアをして、なるべく早くに立ち上がるしかないと思うのですが、この時でどのようにケアをしたらいいか、、、
平鹿にいた時も、同様の経験は数例あります。
その後、乗り越えて再度、出産した人もいますが、以降受診していない人もいました。
この方も常勤の先生に申し送りをして、帰ってきました。
家で「赤ちゃんの死へのまなざし、、」竹内正人著 という本を見直しましたが、マニュアル的には書かれていません。そうりゃそうです。
うまく出てくれるといいのですが、、