内分泌研究会

ようやく、春めいてきました。寄せた雪山を崩している人や氷になったところを砕いている人を見かけます。あたたくなってうれしくなりますが、気温が数度上がれば、なくなってしまうのに、雪かきにつぎ込んだ労働力はなんだったのかとむなしくも思います。雪国の宿命ですね。

昨日、県内の生殖内分泌研究会があり、「受精障害の検討」という題で演題発表してきました。卵子の複数個採卵でき、精子所見も悪くないのに媒精で受精しなかった例を検討したという内容です。原因は何か?わからないものかと思いましたが、これと断定できるようなものはわかりませんでした。
ある特徴は①受精しなかった方の約半数は40歳以上でした。②10個以上採卵できたのに1個も受精しなかった例もあったことでした。
③受精しなかった次の治療周期では正常に媒精で受精していた方が多かった。

もう一つ別な出来事ですが、今年になってから体外受精で複数回うまくいかなかった人で、自然妊娠した方が2人いました。どちら方も around(beyond)40で、採卵数も少なく、1人の方は顕微授精をしていましたが、自然妊娠しました。よかったこととはよかったのですが、今までの治療はなんだったのか??治療の限界というか、自分の力の無さというか、生殖現象の不思議さを思い知らされました。
「こういうこともあるんですね〜」と言われましたが、「そうですね」としか言えませんでした。
でもそのまま、体外受精しないでタイミングや人工授精を継続して、ステップアップしないと判断することもできなかったと思いますが、、

体外受精は言葉のとおり体外での受精ですので、体外環境での治療だということに再認識しました。
体外での培養環境下での出来事ですので、こういうことが起こるのでしょうか。

最近、「卵子の質」という言葉を聞きます。これは「卵子の形態的評価」ということになると思いますが、これも「(体外培養下での)卵子の形態的評価」ということが正確な表現になるのでしょう。