受精着床学会

受精着床学会へ行ってきました

学会前には、長野のクリニックが、無精子症の夫の父親の精子を使って体外受精をして、出産例があることが報道されていました。その演題は聞くことはできませんでした。学会で発表しなくても、いいんじゃないかと思います。

40歳以上の高年妊娠のことに、関心がいきます。
札幌のクリニックからは45歳以上の数例の妊娠例の報告がありました。
卵巣刺激方法は自然周期や、低刺激、ショート法など様々でした。移植はすべてday2-3の新鮮初期胚移植でした。年齢が上がった卵子は体外で胚盤胞になるまで培養するより、子宮内に早く戻した方がいいのではないか、という考察でした。
確かに、高年者からの卵子で2−3日目までは、形態良好胚なのに、5日目に胚盤胞になれないことはしばしば経験します。そういう胚は子宮内に戻した方が妊娠する可能性が高いのかもしれません
日本産婦人科学会の報告では初期胚移植より胚盤胞移植の方が妊娠率はどの年齢も高いです。ですが、妊娠率は移植あたりの妊娠なので、移植できればということになります。

また一方では、名古屋のクリニックから新鮮胚移植はせずに、すべて凍結胚移植をするという報告も聞きました
日本産婦人科学会の報告でもどの年齢においても、新鮮胚移植より凍結胚移植の方が妊娠率が高いとされています。ただ妊娠率も移植あたりの妊娠で、移植できれば、ということになります。
当院でも、昨年年度の実績でも凍結胚での妊娠数の方が新鮮胚移植より多いのですが、
新鮮胚でも妊娠する人はいるので、あえて、全部凍結しなくてもいいのではないかと思います