北日本③

週末にあった学会の続きです。

産科の超音波診断に関する講演で、3D超音波の話を聞きました。3D超音波は胎児の顔の表面画像がとれ、うまく撮れれば患者さんに喜ばれるだろうくらいの認識でした。講演では先天性脳疾患の診断が3D超音波では容易に確実にできるというもので、3次元での超音波画像を見せられると、説得力があり今までの認識を改めさせられました。ただ、妊婦健診をしている医者にはそこまで診断できる能力は求められておらず、いつもと違う、おかしいと思えることが求められていると講師の先生も述べていました。

もうひとつ、3D超音波の演題で、体外受精の際に使用しているという演題がありました。いわゆる2D超音波では排卵モニターで卵胞の長径が18ミリとか20ミリと測定して、採卵時期を決定していますが、卵胞の体積で採卵時期を決定できればどうなのか?と思って聞きました。ですが、まだ、1個1個の卵胞ごとの体積までは計算できないようで、今はまだ3D超音波にしなくてもいいと思いました。

もうひとつ、閉経時期を予測するのに抗ミューラー管ホルモンがつかえるのでは?という演題も興味がありました。現在、いつ閉経になるかを正確に予想することはできません。今日も外来で50を過ぎて月経量が多く、貧血になる人に「いつ終わるのですか?」と聞かれました。あと何年です、と言えればいいのですが、なかなか言えません。予想ができれば、手術しようかとか、もうすこしだから我慢しようとか決めれると思うのです。
発表では閉経3年前からホルモン値が測定管度以下になっていたというものでした。ですのでこのホルモンが測定感度以下であれば、3年程度で閉経すると言えるということになります。3年か、もう少し近似できれば、診療に利用できるかと思いました。