さきがけ記事④

ここ数日は、真冬日で寒い日が続いています。今年は例年になく寒いです。

今週は木曜日に東北厚生局から個別指導を受けました。診療が終わってからも、その準備で何かと忙しかったです。
指導とは保険診療が適切に行われているか審査されるもので、医療機関にとってはなんともいやなものです。まっとうにやっているつもりでも、重箱の隅をつつかれる可能性もありました。
結果、大きなおとがめもなく無事終了しました。

金曜日のさきがけ記事は治療の終了についてでした。この問題は以前からありましたし、これからもなかなか解決しないテーマだと思います。
何回もうまくいかない人に、終了を宣告するべきか?それとも希望があれば続けるべきか?続けることがはたしてその夫婦にとっていいことなのか、はやく夫婦2人での生活に移ってもらった方がいいのではないか?など考えれることはたくさんあります。ただ、記事にも書いたように個人により考え方が違うので、画一的には言えないのではないかという言うのが現時点での結論です。
記事の中で「出産率」という言葉がありますが、学会では「生産率」という言葉が使われていますが、記者の方からわかりずらいのではと指摘され、「出産率」としました。生産率の赤ちゃんが生まれた人を分子にしています。
治療の成績を表す言葉で「妊娠率」もありますが、妊娠率は胎のうが確認できれば、「妊娠」したことになります。
その後流産することもありますので、「妊娠率」の方が「生産率=出産率」より高くなります。
また、重要なのは分母をどうするかで、分母が治療を始めた人とすると、途中で卵胞が育たなかったり、受精しなかったりという方も含まれるため、分母はおおきくなり、結果、妊娠率も生産率も低くなります。それに比べて、分母を「移植した(できた)人」にすると移植する段階まで進めた人を分母にするわけですので、分母は小さくなり、妊娠率も生産率の高くなります。
今回の「出産率」の分母は総治療者を分母にしたデータでした。そのため35歳でも14.7%と低い値になっています。
ちなみに記事に書いた2008年の35歳のデータでは分母を総治療者とすると妊娠率=22.6%、分母を移植した人にすると妊娠率=31.8%、となっています。
つまり、35歳の方で移植できれば、約3人に1人は「妊娠」することをなります。
先週の田中温先生の講演では「生産率、生産率」と何度も言っていました。

県民公開講座NPO法人Fine(現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会)の人がご自分の不妊治療の歴史を話されました。
その方は38歳で結婚し、すぐに不妊治療を開始し、1度顕微授精で妊娠し、心拍も確認できたが、流産となった、とのことでした。その間の仕事との両立やその後退職したこと、家を建てることも同時にあったこと、父親の病気のことなど話されました。流産後は何度もチャレンジしたができず、現在は治療をやめて、支援する事をやっているという話でした。治療をやめるに際して、旦那さんと何度も話し合いをもち、カレンダーにこの日の何時からと予定を決めて話し合ったと言っていました。残念ながらどんな話をしたかまでは話されませんでしたが、話し合いをする中で、2人で生きていくことに自然となったと言っていました。話の途中で、微妙に間が開くこともあって、そのたびに泣きだしてしまうのではないかと、ヒヤヒヤしながら、聞いていました。こういう講演は野田聖子議員と2回目でした。どんな話をしたか、あまりにプライベート過ぎて話さなかったと思います。
今は治療していたことをどう思っているのか、聞いてみたかったですが、聞ける雰囲気ではありませんでした。