祝!ノーベル賞

数日前からノーベル賞を受賞した山中伸弥教授の話題でいっぱいです。50歳でノーベル賞を取るなんて、すごい人やなぁ
私の1歳年上ですから、同世代です。だいぶ違いますが、

整形外科医から基礎医学へ転身したときのエピソードが手術が下手だったとのことで、手術ができないから基礎へ行ったと言っていました。
初めから、手術がうまい人なんていません。
それを聞けば、基礎研究の方が「楽な」ようだと受け取る人が多いと思います。
それは講演のネタではないかと思いました。
臨床より基礎医学の方が、よっぽど大変で、整形外科医をやめて、基礎研究者になると決めるのは相当な勇気のいる決断だったのはないでしょうか?基礎医学には医学部出身者もいますが、理学部や農学部出身も多数いて、彼らは学生時代から実験をして、医師国家試験に受かるために、知識ばかりを詰め込んだだけで、6年間やそれ以上費やしている医学部出身者より、よほどできます。その中での競争ですから、大変です。
理学部出身者から「医者なのに、なんで基礎研究やっての?、医者の仕事すればいいじゃん」とも言われました。
臨床医は日々、病院勤務していれば、外来や病棟で診療はたくさんあり、それをこなすだけで、1日終わります。基礎は朝から自分で課題を考えて、実験を計画し、実行し、そのほとんどは予想と異なり、頭を悩ます。また、論文を読んだり、人に聞いたり、孤独な作業が続きます。(私の場合)

その人の評価はいかにいい論文を書くかにつきます。いい論文はいい研究雑誌に掲載される。その掲載された論文数を争っています。山中先生は治らない患者のこと思って、、と言っていましたが、そうは頭のどこかで思っていても、日々の研究ではこの実験がうまくいくようにばかり考えて、最初の目標はどこかに行っていることが多いのではないかと思います。
(自分と比較するのは大きな勘違いで、大変失礼だと、思いますが、、)
基礎研究する上で、医学部出身者のいいところは、実際に患者にあっていることだと思います。治らない病気はあるわけで、やはり何とかしようと、研究のmotivation があることだと思います。
「まだ、だれも治していない」と山中先生は会見で言っていましたが、あまりに謙虚で、それがかっこよすぎで、クラクラしてしまいました。

研究生活で毎日マウスの世話ばかりで、うつ状態になって、臨床医に戻ろうかと思ったとも言われていましたが、これはよくその心境はわかります。「今何しているの?」と聞かれて「ネズミの餌やり」と答えるだけでは、こんなんでいいのかと自問したくなりました。それで結果も出なければ、なおさら気分も落ち込みます。毎日マウスの世話ばかり、というわずかな共通点がありました。

1-2週間前には「マウス」でiPS細胞をつかって、卵子を作り、子マウスができたと報じられていました。
卵子ががない人も自分の皮膚細胞から自分の卵子を作ることができる可能性があります。
卵子ができたなら、精子もできる可能性もあると思います。
実際に臨床応用できるのは、さらに先だと思いますが、この分野がインパクトが大きいので、早く訪れるかもしれません。