ピルの血栓症

昨日は雨が降り、雪もだいぶなくなりました。
12月としては昨年より、雪は少ないです。予報では1月から3月は平年以上の降雪量とのことで、年明けから、心配です。

おそらく先週に、朝○新聞にピルの副作用の血栓症で死亡例があると報道されました。
患者さんからも、聞かれることがありました。

ピルと言っても現在、避妊目的の薬のほかに、月経困難症治療薬として使用されている保険収載薬もあります。
最近報告されたのは、月経困難症治療薬として発売されている薬での血栓症でした。喫煙歴や肥満などの血栓症の危険要素はなかったにも関わらず、血栓症を発症しているので、処方する際に、ためらいを感じてしまいます。
処方の前には、血栓症のリスクがないか、問診でチェックしていますが、血栓症を予知するような、検査はなく、チェック項目が問題なければ、処方しています。

月経困難症への効果は大きいと思っています。効果がないから続けないという人はあまりいないのではないかと思っています(再受診しないだけかもしれませんが、、、)吐き気や不正出血などの副作用で継続しない人は確かにいると思います。
不妊症からは子宮内膜症の抑制できることが大きな利点だと思っています。チョコレート嚢胞があって、当面、妊娠を考えない人はピルを服用することで、チョコレート嚢胞が少なくとも大きくならず、小さくなる人もいます。ですが、チョコレート嚢胞を縮小するために服用して、血栓症になったら、元も子もありません。

血栓症は服用初めて、数か月に起こりやすいとも言われています。継続している場合はおそらくは大丈夫だと思っています。
それでも、血栓症を誘発するようなことは避けて頂きたいと思います。具体的にはエコノミークラス症候群のように、同じ姿勢を長時間続けることや脱水状態になることがあげられます。

ピル服用者ではありませんが、私が経験した血栓症患者さんは、ペットの犬が危篤状態で、看病するために一晩中、板の間で添い寝をしていたら、翌日以降下にしていた方の足に血栓ができてしまった人がいました。あと、震災の後、車で座席で寝ていて、血栓症になったということもしばしば報道されていました。エコノミークラス症候群と同じようなことがあったと思もわれます。

日本産科婦人科学会ではピル服用者へ注意が発表されています。ピルや月経困難症症治療薬を服用している人はぜひ一度、目を通してください

http://www.jsog.or.jp/news/html/announce_20131227.html